暗号資産市場は価格変動だけでなく、規制動向や金融政策、セキュリティインシデントなど、押さえておくべきニュースが日々更新されています。本記事では、海外の一次情報メディアを中心にピックアップし、投資家・ビジネスパーソンが押さえておくべきポイントを一言コメントとともにご紹介します。
- 1. 米「CLARITY法案」が上院の手続き投票で不成立に|市場構造法制化は振り出しへ
- 2. FRBが3年2カ月ぶりに利上げ|ビットコインは2022年の弱気相場と似た値動きに
- 3. ビットコインETF、週間4.62億ドルの資金流出|Solana・XRP ETFへの資金ローテーションも鮮明に
- 4. 上場企業のビットコイン購入ペースが急減速|3カ月でわずか5,900BTC、含み損も残る
- 5. ビットコインのサイドチェーン「Liquid Network」で3.2億ドル相当のハッキング|白帽ハッカーが大半を返還
- 6. イーサリアム次期大型アップグレード「Glamsterdam」、テストネット稼働を10月6日に再設定|本番展開はQ4へ
- まとめ
1. 米「CLARITY法案」が上院の手続き投票で不成立に|市場構造法制化は振り出しへ
米国の暗号資産市場構造を定める「CLARITY法案(Digital Asset Market Clarity Act)」が、9月15日の上院での手続き投票(クローチャー動議)で採決にかけられ、賛成49・反対50という結果に終わり、可決に必要な60票はおろか単純過半数にも届かなかった。ステーブルコインの報酬規定や、トランプ大統領一族の暗号資産事業に絡む倫理規定などで与野党の溝が埋まらなかったことが要因とされる。業界団体が数年・数億ドル規模を投じてきたロビー活動の成果は不発に終わり、今後はSEC(証券取引委員会)やCFTC(商品先物取引委員会)による規則制定が当面の焦点になる見通しだ。
情報源: CoinDesk
💡 活用の一言: 市場構造法の成立が年内は事実上絶望的になったことで、規制の不確実性を前提としたポジション管理が引き続き必要。SECのRegulation Crypto Assets(Reg Crypto)など行政・規制当局側の動きに注目したい。
2. FRBが3年2カ月ぶりに利上げ|ビットコインは2022年の弱気相場と似た値動きに
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日、政策金利を0.25%引き上げ、誘導目標レンジを3.75〜4.00%とした。2023年7月以来となる利上げで、市場は今後6カ月でさらに0.75%の追加引き締めを織り込んでいる。ビットコインは直近高値(10月につけた12万6,000ドル)から約4割下落した水準にあり、これは2022年3月の最初の利上げ時点でのビットコインの下落率(2021年11月高値から約4割)とほぼ一致する。2022年はこの後、一時18%程度の戻りを見せた後、さらに約5割下落する展開をたどった。
情報源: CoinDesk
💡 活用の一言: 過去の1事例のみを根拠にした単純な相場予測は禁物だが、利上げ局面での流動性低下は暗号資産にとって逆風になりやすい。中東情勢に伴う原油高・インフレ再燃リスクなど、マクロ要因もあわせて確認しておきたい。
3. ビットコインETF、週間4.62億ドルの資金流出|Solana・XRP ETFへの資金ローテーションも鮮明に
米国の現物ビットコインETFは、9月11日までの5営業日で4億6,270万ドルの純流出となり、3週連続で続いていた資金流入トレンドが途切れた。オンチェーン分析のGlassnodeは、この状況を「様子見の市場」と評している。さらに9月16日単日では、ビットコインETFが2億9,598万ドル、イーサリアムETFが2億2,411万ドルの流出となった一方、Solana ETFに83万ドル、XRP ETFに350万ドルの資金が流入しており、大型銘柄からミッドキャップ銘柄への資金シフトが指摘されている。
情報源: Gokhshtein Media
💡 活用の一言: ETF資金フローは需給を映す先行指標になりやすい。ビットコイン・イーサリアムからの資金流出が一時的な利益確定なのか、他銘柄への本格的なシフトなのか、今後数週間の継続性を確認したい。
4. 上場企業のビットコイン購入ペースが急減速|3カ月でわずか5,900BTC、含み損も残る
オンチェーン分析のGlassnodeによると、2026年に入ってから上場企業によるビットコイン購入量は約5,900BTCにとどまり、2025年7月単月の購入量(8万9,000BTC、当時BTCは10万ドル超で推移)の7%に満たない水準まで落ち込んでいる。既存の企業トレジャリー勢の平均取得コストは8万500ドルとされ、現在の価格水準(スポット価格比+6%程度)ではグループ全体で含み損を抱えた状態が続いている。最大保有企業のStrategy(旧MicroStrategy)は8月末に約2カ月ぶりとなる4,603BTCの追加購入を実施した。
情報源: FXStreet(Cointelegraph配信)
💡 活用の一言: 「新規の買い手が減り、既存保有者は含み損を抱えている」状態は、需給面での上値の重さにつながりやすい。取得コスト水準(8万500ドル)を価格が回復できるかどうかは、地合い転換の一つの目安になる。
5. ビットコインのサイドチェーン「Liquid Network」で3.2億ドル相当のハッキング|白帽ハッカーが大半を返還
Blockstream社が運営するビットコインのサイドチェーン「Liquid Network」で9月6日、federationウォレットから約4,000BTC(当時約3.2億ドル相当)が不正に引き出された。原因はウォレットの鍵の流出ではなく、Elementsソフトウェアのバグを突いてL-BTCを本来より多く存在するかのように偽装し、実際のBTCに交換されたことによるものとされる。攻撃者はビットコインの取引データに埋め込んだメッセージ(OP_RETURN)を通じてBlockstreamと連絡を取り、「ホワイトハット(善意のハッカー)」を名乗った上で、最終的に引き出した4,000BTCのうち3,400BTCをfederationアドレスへ返還し、残る598.5BTC(全体の約15%)を保持した。
情報源: The Hacker News
💡 活用の一言: 「ホワイトハット」を名乗る攻撃者による資金返還が相次いでいるが、Blockstream側は攻撃者の主張を独立して検証できていない点には留意が必要。サイドチェーンやブリッジ型の資産は、根底のプロトコルにバグが見つかった場合の影響範囲が大きいことを改めて示した事例といえる。
6. イーサリアム次期大型アップグレード「Glamsterdam」、テストネット稼働を10月6日に再設定|本番展開はQ4へ
イーサリアムの次期大型アップグレード「Glamsterdam」について、開発者らはテストネット(Sepolia)での稼働開始日を10月6日(協定世界時13:53ごろ)に設定し直した。当初6月を予定していたスケジュールから、2026年内ですでに複数回延期されており、EIP-8037に関連する実行レイヤー側のバグなど技術的な課題が背景にある。本番(メインネット)への展開時期はQ4(10〜12月)を目標としているが、確定日はテストネットの安定性次第としており、まだ明言されていない。
情報源: 24/7 Wall St.
💡 活用の一言: プロトコルアップグレードの遅延自体は珍しくないが、たび重なる延期はイーサリアムのロードマップ全体の進行に影響しうる。ステーキング・バリデータ運用やDApp開発に関わる場合は、Sepoliaでの検証結果と本番展開時期のアナウンスを継続的に確認したい。
まとめ
今回取り上げた6件を通じて見えてくるのは、「米国の規制整備が停滞する一方で、金融政策の引き締めという新たな逆風が加わり、市場参加者が様子見姿勢を強めている」という構図だ。ビットコインETFからの資金流出や企業の購入ペース鈍化は、この様子見ムードを裏付けるデータといえる。他方で、Solana・XRP ETFへの資金シフトのように、個別銘柄・プロトコルレベルでは物色の動きも続いている。セキュリティ面では、サイドチェーンやブリッジといった周辺インフラのリスクが依然として無視できない点も再確認された。
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は2026年9月18日時点の情報をもとに作成しています。最新情報は各引用元サイトをご確認ください。


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