2026年10月21日(JST)時点の暗号資産ニュースを、海外の一次情報を中心に6件に絞って整理しました。ビットコインは8万ドル台前半で推移するなか、ETFへの資金流入の再加速、スイスの規制動向、大手銀行のトークン化、指数ルールの変更など、投資家と事業者の判断材料になる動きが続いています。
1. スイスFINMAが初の個人向け現物ビットコインETFを承認|発行体は非公表
スイス金融市場監督機構(FINMA)は10月20日、同国初となる個人投資家向けの現物ビットコインETFを承認しました。ビットコインを直接保有できる投資信託として、「特定リスクを伴うオルタナティブ投資のその他のファンド」の区分で認められています。FINMAはビットコインの取引履歴の長さと取引量の大きさを理由に、通常の分散投資規則の例外を認めました。発行体は明らかにされておらず、他の運用会社も申請や発表を行っていると説明されています。従来スイスで売られていたビットコイン商品は債券型のETPで、投資信託として個人向けに認められたのは今回が初めてです。
情報源: The Block
💡 活用の一言: 欧州でも現物型ETFの個人向け解禁が進む点を確認し、自社や自分の投資対象の規制環境と比較してみましょう。
2. BlackRockのIBITに6.65億ドル流入|約1年ぶりの大きさ、下落保護型ETFも申請
The Blockによると、10月19日(月)のBlackRock「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の純流入は6億6,516万ドルで、2025年10月7日以来の大きさでした。米国の現物ビットコインETF全体の純流入は5億2,660万ドルで、FidelityやGrayscaleの流出が一部を相殺しています。一方、現物イーサETFは4営業日連続で流出し、この日は1億330万ドルの純流出でした。BlackRockは同日、IBITへのエクスポージャーに下落保護を組み合わせる「iShares Bitcoin Managed Protect ETF」も申請しています。価格は8万2,000〜8万3,000ドルの狭いレンジで、金利再引き上げへの警戒が上値を抑えています。
情報源: The Block
💡 活用の一言: 流入の持続性は1日では判断できないため、数日〜数週間のフロー推移で確認するのが安全です。
3. JPモルガンの預金トークン「JPM Coin」がEthereumに展開|機関投資家向け決済が拡大
JPMorganのブロックチェーン部門Kinexysは10月19日、米ドル建て預金トークン「JPM Coin(JPMD)」をEthereumに拡張すると発表しました。JPMDは2025年11月にBase上で開始されており、今回の拡張でEVMエコシステム全体でのピアツーピア送金に対応します。同行はEthereumの「オンチェーン流動性とトークン化資産の厚み」を理由に挙げています。JPMorganは2025年12月と2026年5月にEthereum上でトークン化マネー・マーケット・ファンドも立ち上げており、Kinexysの累計取引額は4兆ドル超(同社公表)としています。
情報源: The Block
💡 活用の一言: 銀行発の預金トークンが公開チェーンに広がる流れは、自社の決済・財務オペレーションの選択肢を見直すきっかけになります。
4. MSCIが「非事業会社」ルールを確定|StrategyやMetaplanetが指数除外の可能性【続報】
MSCIは暗号資産を主に保有する「非事業会社」向けの指数ルールを確定しました。スクリーニングは11月30日から適用され、2025年10月に導入された暫定的な保護措置はなくなります。MSCIは企業名を挙げておらず、最終的な対象リストは11月11日に公表予定です。報道ではStrategyやMetaplanetなどが対象になり得るとされ、JPMorganはStrategyが除外された場合、最大28億ドルの流出があり得ると試算しています。影響を受けるのは当該企業の株式であり、保有するビットコイン自体ではない点に注意が必要です。
情報源: The Block / Caleb & Brown 週次レポート
💡 活用の一言: ビットコイン関連株を保有している場合は、11月11日のリスト公表と11月30日の適用日をカレンダーに入れて確認しましょう。
5. EUのEBAがUSDCを初の「重要」電子マネートークンに指定|11月12日から直接監督
欧州銀行監督機構(EBA)は、CircleのUSDCをMiCA(暗号資産市場規制)の下でEU初の「重要(significant)」電子マネートークンに分類しました。11月12日から、EBAがUSDCの準備資産、流動性、償還計画を直接監督します。USDCの供給量は約730億ドルで、USDTに次ぐ規模です。ステーブルコインを決済や財務に使う事業者にとっては、規制上の信頼性が高まる一方、発行体にはより厳格な要件が課されることになります。
情報源: EBA(プレスリリース) / The Block
💡 活用の一言: EUでステーブルコインを扱う場合は、11月12日以降の監督体制の変更点を発行体の開示で確認しておきましょう。
6. ホワイトハウスの暗号資産顧問ウィット氏が退任へ|CLARITY法案は中間選挙後まで停滞【続報】
Caleb & Brownの週次レポートによると、ホワイトハウスの暗号資産顧問パトリック・ウィット氏が民間への転身のため退任します。後任は未定です。ホワイトハウスはCLARITY法案を引き続き優先事項としていますが、同法案は9月15日の上院での討論終結動議が49対50で否決されて停滞しており、議会は11月3日の中間選挙後まで休会です。CFTCやSEC側では独自の規則整備(10月5日のCFTC事前規則案公告など)が先行しており、立法を待たない流れが続いています。
情報源: Caleb & Brown 週次レポート / Baker Botts
💡 活用の一言: 立法の見通しが不透明なため、当面はSEC・CFTCの規則案とパブリックコメントの動きを追うのが現実的です。
まとめ
本日の6件に共通するのは、機関投資家・銀行・規制当局の動きが相場の値動き以上に市場の構造を変えつつある点です。スイスのETF承認やIBITへの資金流入は投資商品の裾野の拡大、JPM CoinやUSDCの指定は決済・ステーブルコインの制度化を示しています。一方で、MSCIのルールや米国の立法停滞など、短期的な不確実性も残っています。
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は2026年10月21日時点の情報をもとに作成しています。最新情報は各引用元サイトをご確認ください。


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