暗号資産市場は、CLARITY法案が上院で否決されたあとも、規制当局主導の動きとETFへの資金流入によって底堅さを保っています。本記事では、2026年10月1日(米国時間)を中心に出た英語圏の一次情報をもとに、投資家・ビジネスパーソンが押さえておきたい5本を、一言コメント付きでご紹介します。
1. 米ビットコイン現物ETFの9日連続流入が止まる|約1.49億ドルの流出と今後の見方
The Blockによると、米国のビットコイン現物ETFは10月1日(水)に合計約1億4,870万ドルの純流出となり、約31億ドルを集めた9営業日連続の資金流入が途切れました。ブラックロックのIBITは流出が950万ドルにとどまった一方、フィデリティのFBTCは約1億2,560万ドルの流出で、流出額の大半を占めています。年初来の累計フローは約9.7億ドルのプラスを維持しており、資産残高は1,000億ドル超。ただしピークだった2025年10月との比較では、累計フローはなお約50億ドル下回っています。イーサリアム現物ETFも約5,960万ドルの流出で、2日連続の流出です。
情報源: The Block
💡 活用の一言: 1日の流出入で方向感を判断せず、数週間単位の累計フローと発行体別の偏りをあわせて確認しましょう。
2. SEC、投資顧問・ファンド向けの暗号資産カストディ規則案を提案|州信託会社の活用も
The Blockの報道では、SECは10月1日、投資顧問会社や規制対象ファンドが暗号資産を保管する際の新たな枠組みを提案しました。他に認められたカストディアンが存在しない場合など限られた状況で、投資顧問が顧客資産を自ら保管できる余地を設け、州の信託会社もカストディアンとして位置づけられます。ETF経由ではなく現物を直接保有したい資産運用会社やヘッジファンドにとって、実務上の障壁を下げうる内容です。パブリックコメントの期間は60日間とされています。
情報源: The Block
💡 活用の一言: あくまで提案段階です。機関投資家向けサービスを検討する企業は、コメント期間中に最終案へ反映される論点を追っておくと準備しやすくなります。
3. シティグループがビットコインの12カ月目標を11.3万ドルへ引き上げ|ETF流入は50億ドル想定
Fortuneによると、シティグループはビットコインの12カ月目標価格を従来の8.2万ドルから11.3万ドルへ、イーサリアムは2,240ドルから3,028ドルへそれぞれ引き上げました。今後1年で約50億ドルのETF資金流入を見込み、背景として暗号資産への関心の回復、ドル安傾向、規制面の不透明感の後退を挙げています。足元のビットコインは約8.4万ドル前後、イーサリアムは約2,700ドル前後での推移です(Yahoo Financeの10月1日朝時点)。
情報源: Fortune / Yahoo Finance
💡 活用の一言: 目標価格は一つの見通しにすぎません。前提条件(ETFフロー、金利、ドル動向)が崩れた場合のシナリオも並行して確認しましょう。
4. 【続報・アナリスト分析】CLARITY法案否決はなぜ市場に追い風だったのか|ビットワイズCIOの見方
9月15日の上院手続き投票で否決されたCLARITY法案について、続報として専門家の分析が出ています。ビットワイズのCIOであるマット・ホーガン氏は、同法案が取引所によるステーブルコインの利回り提供を広く禁じ、現物取引所の免許制や兼業制限も課す内容だったため、否決によってこうした負担が回避されたと指摘しています。否決後はSECが、トークン化株式の取引を一部の取引場所で認める命令や、トークン買い戻しの発表だけで証券とは見なされないとの整理を示しました。一方で同氏は、立法ではなく当局の運用に依存するため、将来の政権交代で方針が覆るリスクがあるとも述べています。
情報源: Hokanews(FXStreet配信記事に基づく) / CNBC(9月15日の否決報道)
💡 活用の一言: 「法律ではなく当局のルール」で成り立つ現在の環境は、政策転換リスクと表裏一体です。事業計画では規制変更シナリオも織り込んでおきましょう。
5. 韓国のデジタル資産法制、ウォン建てステーブルコインの銀行出資比率と取引所の持株上限で議論が難航
Seoul Economic Dailyによると、韓国で検討中の包括的なデジタル資産法制は、ウォン建てステーブルコイン発行体への銀行の過半出資(50%超)の要件と、取引所の大株主の持株上限(おおむね15〜20%)をめぐって議論が分かれています。議員や業界関係者からは、参入規制よりも本人確認や市場監視といった行為規制を重視すべきだとの意見が出ています。2027年1月18日に米国でGENIUS法が施行される予定であることから、韓国が議論に時間をかければ競争力に響くとの懸念も示されています。法案の成立は来年1月初旬が目標とされています。
情報源: Seoul Economic Daily
💡 活用の一言: アジアでステーブルコイン関連の事業を検討する企業は、発行体の資本要件や取引所の株主構成ルールが今後変わりうる点を確認しておきましょう。
まとめ
今日のニュースに共通するのは、機関投資家向けの制度整備(SECのカストディ案)と、資金フロー・アナリスト見通しの双方で「市場環境が改善しつつある」との見方が強まっている点です。一方で、ETFフローは日々振れ、規制は当局運用への依存度が高く、各国の法制も固まっていません。単日の動きに一喜一憂せず、制度面の進展と資金フローを継続して確認する姿勢が重要です。
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は2026年10月2日時点の情報をもとに作成しています。最新情報は各引用元サイトをご確認ください。


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