米国9月CPIの上振れで利上げ観測が再燃し、ビットコインが8万2,000ドルを割り込みました。あわせて、ハードウェアウォレットの改ざん事件や、上場企業の資金調達手法の変化、各国の規制・参入動向も動いています。海外の一次情報を中心に、投資家と事業者が確認しておきたい7件を整理しました。
- 1. 米CPI上振れでビットコインが8.2万ドル割れ|利上げ観測と今後の見通し
- 2. Ledger、代理店CryptoBilis経由の端末に盗聴部品を確認|ハードウェアウォレットの購入先に注意
- 3. Strive、年率15%の永久優先株「SATS」を発表|ビットコイン保有企業の資金調達
- 4. メタプラネット、自社株買いと転換社債でBTC担保ローン返済へ|日本の上場企業の動き
- 5. ロシア最大手Sberbank、暗号資産取引所サービスの承認を取得|12月1日開始予定
- 6. 韓国、2027年1月から暗号資産課税開始へ|11月に細則公表予定
- 7. 21Shares、Anthropicへの合成エクスポージャーを持つ欧州ETP「CLAU」を上場
- まとめ
1. 米CPI上振れでビットコインが8.2万ドル割れ|利上げ観測と今後の見通し
The Blockによると、10月14日、9月分の米消費者物価指数(CPI)でコア指数が市場予想を上回り、BTCは8万2,000ドルを割り込みました。記事執筆時点のBTCは約8万1,651ドル(約2%安)、ETHは約2,412ドル、SOLは約104ドルで、主要アルトも2〜4%程度下落しています。Yahoo Financeによれば、総合CPIは前年比3.7%(予想3.6%)、コアは前月比0.3%(予想0.2%)で、CME FedWatchが示す10月の0.25%利上げ確率は、週初の低水準から約50%まで上昇しました。
アナリストの見方は割れています。Wincentのシニアディレクターは短期のレンジを8万〜8万8,000ドルとし、8万ドルを割れば7万5,000ドルまでの下落もあり得ると指摘。一方、21Sharesのストラテジストは8万1,000〜8万2,000ドルのサポート帯で下落は織り込まれつつあるとの見方です。
情報源: The Block / Yahoo Finance
💡 活用の一言: 本日以降のPPI・小売売上高、FOMC前の発言で利上げ確率がどう動くかを確認し、レバレッジ水準の見直しを検討してみてください。
2. Ledger、代理店CryptoBilis経由の端末に盗聴部品を確認|ハードウェアウォレットの購入先に注意
BleepingComputerによると、Ledgerは10月9日にユーザーからの資金流出報告を受けて調査を開始し、10月10日に少なくとも1台で不正な実装を確認しました。流出報告はすべて東南アジアの販売代理店CryptoBilis経由の端末に関連し、9月16日以降に正規品のほぼ半額で販売された改ざん品があったとされます。研究者の分析では、画面出力とボタン操作を記録してシードフレーズを盗み、eSIM/LTE経由で送信する仕組みでした。Ledgerは影響範囲を限定的としつつ、被害額は公表していません。また、同社の「Genuine Check」は、Secure Elementが無傷の場合この種の追加部品を検出できない可能性があると警告しています。
情報源: BleepingComputer
💡 活用の一言: 端末は公式サイトまたは正規代理店でのみ購入し、疑わしい端末は初期設定せず、設定済みなら新しいシードで作った新端末へ資産移動する必要があります。
3. Strive、年率15%の永久優先株「SATS」を発表|ビットコイン保有企業の資金調達
Striveが米SECに提出した8-Kの資料によると、10月13日に「15.00% Series A Perpetual SATS Preferred Stock」を発表しました。発行は500万株、額面(ステートド・アマウント)は1株100ドルで、累積配当は年率15%、最初の定時配当は11月9日開始予定です。最初の18か月分に相当する配当リザーブ(1株22.50ドル)も設ける計画です。KuCoinの市況レポートによれば、調達額は5億ドル規模で、同社のBTC保有は先週3,311BTC追加して32,773BTCに達したとされます(3か月前は2万BTC未満)。
情報源: SEC 8-K(Strive) / KuCoin
💡 活用の一言: 高配当の優先株は発行体の資金繰りと配当原資(BTC価格依存)への依存度が高いため、配当の条件と取り消し可能性を確認しましょう。
4. メタプラネット、自社株買いと転換社債でBTC担保ローン返済へ|日本の上場企業の動き
KuCoinの日次レポートによると、メタプラネットは約9,693万株を相対取引で約253億円分買い戻す計画を示し、あわせて520億円の転換社債を発行して、ビットコイン担保ローンの返済に充てるとされています。BTC価格が下がる局面で、担保ローンの比率を下げつつ株主還元も進める狙いとみられます。なお、これは二次情報に基づく内容のため、正確な条件は同社の適時開示でご確認ください。
情報源: KuCoin
💡 活用の一言: BTC保有企業を評価する際は、保有量だけでなく、担保ローンと転換社債の償還スケジュールを併せて見ておくと安心です。
5. ロシア最大手Sberbank、暗号資産取引所サービスの承認を取得|12月1日開始予定
KuCoinの日次レポートによると、Sberbankは暗号資産取引所サービスの提供について承認を受け、12月1日のローンチを計画しています。ロシアの現地報道(www1.ru)も、同行が暗号資産取引をテストし12月1日までにサービスを準備していると伝えています。制裁下にある国の最大手銀行が国内向けに取引・カストディを始める動きとして、アジア・中東を含む周辺の規制動向にも影響が及ぶか注目されます。
💡 活用の一言: 各国の「銀行による暗号資産参入」は、カストディ・決済の競争環境を変えます。自社が関わる地域の規制を確認してください。
6. 韓国、2027年1月から暗号資産課税開始へ|11月に細則公表予定
CoinGabbarがYonhapを引用して報じたところでは、韓国では2027年1月1日から、年間の暗号資産利益が250万ウォンを超える部分に合計22%の課税が適用される見通しで、詳細ルールは11月に示される予定です。同じ報道では、韓国上位5取引所の現物取引高が第2四半期に33%減(2,188億ドル→1,467億ドル)となったことも紹介されています。
情報源: CoinGabbar
💡 活用の一言: 韓国居住者や同国市場に関わる事業者は、11月の細則公表で損益通算・申告方法がどうなるかを確認しておきましょう。
7. 21Shares、Anthropicへの合成エクスポージャーを持つ欧州ETP「CLAU」を上場
CoinGabbarがBloombergを引用して伝えたところでは、21Sharesが欧州で「CLAU」を上場しました。トータルリターン・スワップを通じてAnthropicへの合成的なエクスポージャーを提供する商品で、同社株式を直接保有するわけではないとされています。非上場企業の値動きにETPで接する新しい形ですが、スワップ相手方リスクなど、通常の株式と異なる点があります。
情報源: CoinGabbar
💡 活用の一言: 合成型商品は、参照資産との連動性とスワップ相手方リスクを目論見書で確認することが大切です。
まとめ
本日は、インフレ指標が利上げ観測を呼び、価格面の不確実性が高まる一方、ウォレットの供給網リスク、企業の資金調達手法の高度化、各国の規制・参入の具体化という「インフラと制度」の動きが目立ちました。短期の値動きに注目しつつ、セキュリティ・財務構造・規制の3点を併せて確認する姿勢が重要です。
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
本記事は2026年10月15日時点の情報をもとに作成しています。最新情報は各引用元サイトをご確認ください。


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